A1:
イメージが出来ていない、 ということに気がつけたのが第一歩で素敵です。
生活をイメージするって大変難しいですよね。
「生活のイメージ」とは何をイメージすることか、わかりますか?
生活の何をイメージするか、をまず考えてみましょう。
たとえば、
①もともとの24時間の生活、
② 身体的な動作に着目して、ADLでできることできないこと、
③ IADLに着目して、できることできないこと
④そのADL、IADLを行うときの、患者さんの気持ち
⑤それを見ている、あるいは介助している家族の気持ち、
⑥ ADL、IADL以外のその方の生活の中の営み(趣味、 近所づきあい、仕事)
つぎに 、1例でも家庭訪問にいけるように上司と相談できますか?
その際、上記のことを情報収集し、想像しておきます。 もちろん病棟や訓練の状況も同席して観察しておきます。
さて、家庭訪問にいったら、必要なことは,「観察」能力です。 つぎに、24時間全てを観察できないので、生活(営み) についての想像力が必要です。
病院での生活と家での生活の間の表情、体の動かし方、 本人が言ったこと、とにかくありのままを見て, ありのままを想像してみて下さい。
次に、そういう体の状況で、 その方の気持ちを教えてもらって下さい。
観察し、理解し、応用する、、、 その繰り返しが自分の中に積み重なっていきます. 時間がかかります。
出来ない間は、周囲のチーム、ソーシャルワーカーに, アドバイスをもらいながらやると良いと思います。
また、自分や家族の「生活」も、 あらためてじっくり観察してみると良いですよ。 無意識に生活していますが、そこには学ぶべき事、 応用すべき事がたくさんあります。
患者さんや家族が書かれた闘病記を読むことも, 想像力のアップにつながります。
A2:
MSWの役割の、どのようなことをわかってほしいでしょうか?
私の経験では、MSWは、「わかってほしい」といいつつ、 なにをわかってほしいか、を言葉で言えなかったりします。
まず、文章でなにをわかってほしいか、書き出してみましょう。
次に、 わかってほしいそのことが行動で伝わる場面を書き出してみましょ う。
スタッフは,行動でみています。
記録がサービス調整の事だけを書いていたら, サービス調整する人だな、と思うでしょうし、
アセスメントにクライエントの相談事にどう対処したかが書いてあ れば、クライエントの相談にこういうふうに乗ってくれるんだな、 という事を読み取ってくれます。
得た情報だけを記録すると, 情報収集をすること(だけ)に長けていると思われると思うし、 得た情報からこういう風にアセスメントしている、 ということが書いてあると,SWは判断する人なんだなと
思ってもらえ、さらに、その判断が的確だと、信頼されます。
もちろん他にもいろいろな方法はあると思いますが, 私が一番効果的だと思っているやり方です。いかがでしょうか?
A3:
ソーシャルワーカーに必要な資質、という事については、私は、「真摯さ」と「チームで働ける人」と、 トロント大学の教授の講演で聴きました。 それ以来、そのことを心がけています。
「真摯さ」とは、英語でauthenticityというらしく、 その人が生まれながらに持っている、なにか状況をよくする力、 人柄、前向きさ,必死さ、などのことのようです。
私は「なんだかあなたに相談したらうまくいくような気がする」 という気持ちが相手に伝わっていく印象のようなもの、かな?と思っていて、部下にも、そういうソーシャルワーカーになってほしい、と伝えています。 どうするかはそれぞれで考えていくしかないのですが。
チームで働ける人、というのは、 私にとっては難しいテーマです。 今の若い皆さんの方が得意かもしれませんと感じていて,いつも学ばせて頂いています。
そんな私が気をつけていることは、 自分以外の職種の事に興味を持ち、よく知ることと、 相手に求めるのではなく,チームの中で「自分が」出来ることが何か、 を考えること、です。